映画「結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-」第1章感想

3月18日公開の鷲尾須美第1章、見てきました。
結論から言えば…素晴らしかった。

監督が変わってクオリティの低下、特に1期では非常に優れていた演出の劣化を心配していたけどひとまず杞憂に終わったかな?また、原作の小説既読でストーリーを知ってるから楽しめないかもしれないと思ってたけどこちらも問題ありませんでした。

今作、悲壮の物語であった結城友奈の正統な継承者と思わせるにふさわしい出来の作品でした。「悲壮」は「悲愴」とは違い、悲しい状況においても荘たる様を表します。

ギャグシーンや女の子たちが仲良くするような日常系っぽい要素も健在で、結城友奈の魅力だった部分をきちんと受け継いでいました。あと…鑑賞後すっかりすみすけファンになりました…変な性格になる前の真面目なすみすけカワイイ…。今回映像でキャラクターを見たことで、登場人物3人の好感度がかなり上がりましたね。


結城友奈との相違点を挙げるとすれば、今回明確に流血が描かれていたところでしょうか。友奈たちと違って大赦から訓練を受けていた彼女たちですが、とにかく攻撃力も防御力も低く、結城友奈の世代に比べて勇者の力はかなり貧弱であることが表現されていました。

 


鑑賞後に思ったのが、やはり原作を知ってると知らない場合に比べて楽しみが少し減ってしまうのが残念だというところですね。次に一体どんな展開になるのだろうか…というストーリーのワクワク感が少ない。
後は一度に2話分見ちゃうのもちょっともったいなかった。結城友奈の頃は毎週死ぬほど楽しみにしてて、次の話が放送するまで何度も見返してたので。最高のスパイスは空腹である。って言葉はアニメにも当てはまる。


最後に…これから結城友奈シリーズを観る人には結城友奈→鷲尾須美の順に見て欲しいですね。時系列的には逆なんだけど、鷲尾須美から見てしまうと結城友奈のネタバレになってしまうので。

結城友奈シリーズをお友達に勧める人は是非、結城友奈→鷲尾須美アニメの順に見てもらうようにしましょう。そして鷲尾須美ノベルは鷲尾須美アニメを見てから読むようにアドバイスしましょう。乃木若葉?アニメ化まで我慢しましょう。

【結城友奈は勇者である】犬吠埼姉妹の名前の由来

 この連休中にやっとゆゆゆwikihttp://www46.atwiki.jp/yukiyuna/)をきちんと通して読みました。これまでは断片的に読むだけだったのでいくつか新しい視点を得ることができました。その中で一番衝撃を受けたのが「風」と「樹」という犬吠埼姉妹の名前の由来です。


 その由来とは「風樹の嘆」ということわざです。意味は「親孝行をしたいと思う時には既に親は亡くなっていてどうしようもないことを嘆く」さまを表します。これは風の流れに身を任せて揺れ動くことしかできない樹木のようにどうしようもできない様子から来ているそうです。

 ことわざもその由来も犬吠埼姉妹の境遇に見事に一致しますね。姉妹が両親を失ったことはまさにことわざが表す意味そのものです。また、「風によって揺れ動かざるを得ない樹木のようにどうしようもできない」さまは風先輩の境遇に一致します。生活のため、世界を守るため、バーテックスへ復讐するため…大赦の言いなりになるしかなかった。選択肢のない状況で大きな責任と罪悪感を背負わざるを得なかった。風先輩の境遇はまさに「どうしようもできない」ものでした。

 ついでに苗字の犬吠崎についても調べましたが、こっちはあまりしっくりくる由来はわかりませんでした。犬吠埼という地名の由来自体が、義経の愛犬が置き去りにされたからとか、断崖絶壁を表す鬼崩が訛ったとか、アシカが生息していたからとか諸説あるようです。ただゆゆゆは日本の神話をモチーフにすることが多いので、義経の愛犬の伝説が一番関係しそうかなと思いました。その伝説とは、岬に置き去りにされた義経の愛犬「若丸」が主人を慕って7日7晩鳴き続け最後には岩となったというもので、最もよく知られた説だそうです。また犬吠埼関東平野の最東端で、北海道・本州・四国・九州の平地ではいちばん早く初日の出を見ることができるとか。

 

 苗字の方はまだ由来がはっきりしませんが、名前の方は意味や字の一致からかなり信ぴょう性が高そうです。これまで完全に見落としていた説だった上にその由来が非常に悲愴で、個人的にかなりショッキングでした。ゆゆゆは色々仕込みがあって未だに新しい発見が尽きません。

こんにちは。ゆゆゆBD5巻が発売されましたね。
この5巻には第9話が収録されてますが、僕は放送当時非常に感銘を受けまして…この1話でゆゆゆが名作だと確信しました。非常に濃密な回で演出や声優の演技など見どころしかない回です。ネット上でも評価の高い1話だと思います。今回はこの9話を感想や考察を交えながらストーリーに沿って読み込んで行こうと思います。

 

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【結城友奈は勇者である】放送時のコンテンツを盛り上げる工夫

 BD/DVD第5巻の発売まであと3週間を切りましたね。神回の9話や祈りの歌のフルオケ版が収録されてるので非常に楽しみにしてます。公式サイトの試聴版のリピートが止まらない…

 そして最終回からだいたい3ヶ月、1クール分の時間が経ちました。思えばゆゆゆには放送前、放送中、放送後とコンテンツを盛り上げるために色々な工夫がありました。この工夫が新しく立ち上げられたコンテンツならではというか、独特だった印象があります。関連コンテンツの発売日など、情報を出すタイミングにかなり気を使っていたのではないでしょうか。今回はこの辺りの細かい工夫について、日付に注意しながらまとめてみました。

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【結城友奈は勇者である】主人公、結城友奈の魅力

こんにちは、特典ゲームのBGM05をリピートしながら書いてます。

いい曲ですよね。円盤5巻で曲名がわかる日が待ち遠しいです。

ところで今日は国民の祝日ですね。
春分の日?いやいや・・・世界を救った勇者、結城友奈の誕生日です。
本当におめでとうございます。
東郷さんなんか本当に友奈ちゃんの誕生日を祝日にしましょうとか言い出しそうですね。真顔で(笑)
そういえば、ゆゆゆキャラの誕生日の日付っておそらくコンテンツの盛り上がりを維持するように設定されてますよね。
ニコ生で9話が配信されたのが9話のキーキャラクター、樹ちゃんの誕生日
放送から約3ヶ月の今日が主人公、友奈ちゃんの誕生日
その後ひと月ごとに登場人物の誕生日が続くという・・・
ゆゆゆは内容だけじゃなくコンテンツの展開的にも演出に凝っていてスタッフのこだわりを感じます。

 

―主人公、結城友奈の魅力―
 キャラクターの魅力には可愛さとか、かっこよさとか、色んなベクトルがありますよね。その中の人間的な魅力ベクトルでトップクラスの絶対値を持つのがこの子、結城友奈だと思います。記念すべき誕生日ということで今回は友奈ちゃんの魅力について考察していきたいと思います。

 世界を救うために戦うヒーローにも色んなタイプがあります。恐怖を感じなかったり我先に活躍しようとするバトルジャンキーとか、おどおどして戦いから逃げたがる臆病なタイプとか、割と汚い手を使ったり味方を利用したりする頭脳派とか。そのようなヒーローの中にあって、友奈ちゃんは普通の心優しく勇気ある少女なんですよね。1話では恐ろしい敵に対して本気で怯えていたにも拘らず友人を励ましたり、2話での心の声では『痛い、怖い、でも大丈夫』と強い勇気を見せるなど本当に健気です。このアンパンマンのようなただただ善良なヒーロー(ヒロイン)というのは最近では逆に珍しく、この作品の強力なオリジナリティになっていました。

 一言で言えば「良い子」になってしまう友奈ちゃんですが、その人間性は中途半端ではなく筋金入りです。元気で明るくて、ボケて場を和ませるムードメーカー。いつも笑顔で優しく、柔らかな声は安心感を与えてくれる。障害と記憶喪失を抱え不安に押しつぶされそうだった東郷さんの暗い心に明かりを灯し、罪悪感を抱える風先輩を何度もフォローし、頑なだった夏凜ちゃんの心を溶かす、そんな温かさを持っていました。そして、逃げ出したくなるような困難に立ち向かう勇気、誰かのために本気で頑張れる根性を持った子でした。少数の美少女キャラクターしか登場しないゆゆゆですが、単なる愛玩的な可愛さだけではなく強い人間的な魅力も持っています。そういうところが勇者部メンバーが視聴者に非常に好かれる所以ではないでしょうか。

 ただ円盤1巻のブックレットで語られたとおり、勇者部メンバーにはそれぞれ欠点も設定されています。例に漏れず友奈ちゃんも完璧ではなく、「周りに気を遣いすぎる」と言及されています。例えば自己犠牲に走りがちで少し危うい面がありました。また、8話や9話では「死なないなら悪いことじゃないんじゃないかな」と無理にポジティブに考えて重苦しい雰囲気を変えようと必死なシーンもありました。この欠点が物語においてどう扱われたのか、終盤で友奈ちゃんが精神的にどう変わったのか、僕は未だに整理できてないです。終盤の友奈ちゃんの心情考察はなかなか難しくて・・・少なくともあんなに優しかった友奈ちゃんが12話で東郷さんを拳で殴るというのは、彼女の中で何かしら変化があったことを示しているのだと思います。スタッフインタビューや他の方の感想でだいぶ知見も溜まってきたのでそろそろちゃんと考えたいところです。

 

とにかくこの子は絶対に人に悪意を向けないし、絶対に裏切らないと心の底から信頼できる、そういう子でした。

本当に愛おしい・・・
彼女の姿勢には学ぶところがたくさんありました。
ありがとう友奈ちゃん、おめでとう。

【結城友奈は勇者である】初回視聴時の感想

こんにちは、某所で初回視聴時の感想を書いてる人に触発されまして・・・
各話ごとに放送当時に感じたことを思い出しつつ短く書いていきます。

・1話
日常+ファンタジーのゆるいアニメかと思ってたが、結構ガチで戦闘やるのか?
悪くはないかな?

・2話
えっ初戦闘の翌日にもう次が攻めてくるのかよ。
しかも一気に3体、綺麗な連携を披露・・・完全にガチで殺しに来てるな。
敵が慢心してない感じが好みかも。

・3話
ツンデレキター!
ぼた餅

・4話
さっそく夏凜ちゃんがギャグ要員にw
途中に挟んだ日常回でキャラの精神的な成長を描くのは王道だけどやっぱりいい。
しかし不穏だ・・・

・5話
5話で最終決戦・・・しかも敵の殲滅に成功だと・・・
こんなアニメ今まで無いんじゃないか?まだ折り返しにも来てないのに・・・
この後どんな展開が待ってるって言うんだよ。
これはすごいアニメかもしれない。

・6話
うわぁ・・・こんな代償があるのかよ、エグいなぁ。
治らないフラグ立てすぎ。
(この後キービジュアルの仕掛けを知り驚愕。)

・7話
夏凜ちゃん意外と大きい(ゲス顔)
ゆゆゆの日常はコミカルで良いな。すごく癒やされた。
メガロポリス

・8話
前勇者痛々しすぎる。
次回のタイトル「心の痛みを判る人」ってそそられるな。
(園子登場をきっかけに鷲尾須美は勇者であるの情報を集め始める。)

・9話
ああ・・・ああ・・・すごいアニメに出会ってしまった・・・
これこそが演出・・・アニメスタッフに拝。
それでも東郷さんなら・・・東郷さんならなんとかしてくれる(予告を見て)
(この後、樹ちゃん誕生日に放送されたニコ生のエンドカードを見て心が散華。次回が待ちきれずWeb予告を見るようになる。)

・10話
おい・・・なんだこれ・・・散華が絶望の底じゃなかったのかよ・・・
地球完全に終わってるじゃん・・・未来無いじゃん・・・
東郷さん早まらないで!
畜生、前回の予告に騙された!

・11話
(この頃から食い入るように見る。)
夏凜ちゃんうわああああああああああああああああ
それでも友奈ちゃんなら・・・友奈ちゃんならなんとかしてくれる

・12話
モヤモヤする。スッキリしない。
けど皆治って本当に良かった。世界を守れて良かった。

 

終盤は1話の「日常は『一旦』終わりました」という一言を希望に視聴していました。
ゆゆゆは観直すと発見があるアニメなのですが、最初の印象が大きく変わることは殆ど無かったですね。
観直してから印象が変わったのは1,4,12話あたりでしょうか。
1話放送からもう4ヶ月も経ってますし、今のうちに書いておけて良かったです。

【結城友奈は勇者である】その後の園子の感想

こんにちは、遂に鷲尾須美難民を脱出したdakitsuです。

3刷だったのにお店の最後の1冊でした。発行部数どれくらいになってるのだろう・・・

一緒に電撃G'sマガジン3月号も買ってきました。
円盤予約で金欠だったので散々迷いましたが情報豊富だったので結果的には買って良かったです。


まずはイラストノベル「鷲尾須美は勇者である」について少しだけコメントを。
最終決戦の裏では園子様と大赦の間にあんなやりとりがあったんですね。大赦は無感情というか何を考えているかよくわからない印象だったので、焦っている様は非常に痛快でした。勇者を利用してきた大赦ですが悪の組織では無いので、肝を冷やすくらいのちょうどいい報いを受けてもらったという感じでしたね。結城友奈とはまた少し違った魅力のある作品だったのでそのうち全体的な感想も書きたいです。

 

次に本題、G'sマガジンに掲載された後日談「その後の園子」について。
アニメ本編の補足説明と今後の展開に関するもので、非常に衝撃的な内容でした。「その後の園子」なんて洒落の効いてるタイトルだったので、ほのぼの後日談をやるものだとばかり・・・そういえばゆゆゆも韻を踏んだタイトルでしたね・・・
続編が来るとしても次世代の勇者の物語だと思っていたので完全に不意打ちを食らいました。アニメ最終回ラストで表示された「結城友奈の章」は結城友奈の物語の完結を意味しているものだと思っていたのですが、どうやら勇者部の戦いはまだまだ終わらないようです。ここまでやってしまったらもう続編を作ってもらうしか無いですね。来るとしたら2期より劇場版でしょうか?1クールのオリジナルアニメで2期やった作品ってほとんど思いつかないですし・・・僕はストパンくらいしか知らないです。何にしろコンテンツが続くのは嬉しいですね。


ただ素直に続編フラグを喜べるようになったのは最近で、G'sマガジン読んだ直後は友奈ちゃんに立てられた不穏なフラグが心配すぎてそれどころじゃありませんでした。僕は上記の通り結城友奈の物語は完結したと考えていたので、最終回の立ちくらみもまだ体が本調子じゃないだけだと心の底から思い込んでいました。(自己擁護するとそのように思い込むことも可能な演出だったわけで、人気が出なかったら友奈ちゃんの異常に関する設定はお蔵入りしてた可能性もありますが)
それ故に今回の後日談は本当に衝撃的で、続編の喜びよりも「えっ友奈ちゃんは治ったんじゃなかったの?また酷い目に合うの?」という憤りの方が強かったです。まあ鷲尾須美ノベルと合わせて情報過多で混乱してたので、時間たって色々考えてからは希望を持てるようになってきました。

 

「鷲尾須美」1話ラストに神に見初められた少女の結末を示唆する文があります。
帯のキャッチコピーにもなっており、勇者となった彼女たちの暗い未来を暗示するものとなっています。実際に「鷲尾須美」の勇者たちは過酷な道を辿り、非常に悲惨な結末を迎えました。まさに鷲尾須美の物語を象徴する文章と言っていいのではないでしょうか。バッドエンドだった「鷲尾須美」ですが、そのラストには「結城友奈」という希望を残していました。希望となった「結城友奈」の物語では勇者部が示した勇気が閉塞した世界を動かし、「鷲尾須美」の勇者たちも大切な物を取り戻すことができました。
上記した「鷲尾須美」1話ラストの文は「その後の園子」のラストにも登場します。「鷲尾須美」では悲劇を指していたであろう「その結末は―」の文ですが、「その後の園子」では英雄譚という強い希望を感じさせる言葉を指し示していました。このように、「その後の園子」は「鷲尾須美」の真の結末としての側面も強いエピソードでした。僕はこの「その後の園子」ラストの文章のおかげで友奈ちゃんの不穏なフラグによる不安感からなんとか立ち直ることができました。ちょうどゆゆゆ本編が絶望的な状況になった時、1話の「私達の日常は一旦終わりました」の言葉に希望を見出していた時と似てますね。
告知では形式上「結城友奈」の後日談になっていた「その後の園子」ですが、実際には「鷲尾須美」のトゥルーエンドかつ二つの勇者の物語の収束点でもありました。勇者達と神世紀がどのような結末を迎えるのか、期待と不安で胸がいっぱいです。